会長挨拶

関東学生剣道連盟   佐藤会長

御 挨 拶

関東学生剣道連盟会長

佐 藤 成 明

 待つ事久しかった関東学生剣道連盟のホームページ(HP)が平成24年9月10日を以って立ち上げることが出来ました。皆様と共に喜びたいと思います。この立ち上げに尽力されました関係の皆様に衷心より感謝を申し上げます。

 学生剣道の歴史を紐解きますと、学生剣道の起こりは既に明治10年代の中学校にあり、明治20年代になって大学や高等専門学校でも盛んに行われるようになりました。特に明治23年(1890)に旧第一高等学校が一橋から本郷に移った時に開催した撃剣大会が学生剣道大会の嚆矢であるとされています。明治42年(1911)には学生剣道組織のはじめと言われる『東京学生剣道連合会』が組織され、昭和3年(1911)11月に関西学生剣道会と協議の結果、学生剣道の全国組織である『全日本学生剣道連盟』が結成された経緯があります。当時の学生剣道連盟は各種の大会の開催、夏休みを利用した全国各地での錬成会の開催などを通じて、とかく伝統の殻に閉じ籠りがちな剣道界にあって柔軟な発想の下に試合審判規則の改革、指導法や技術の体系化など剣道の普及発展に積極的に参画し主導的な役割を果たして参りました。第二次世界大戦後の剣道禁止の時代を挿んで、旧来の弊風を排除して新生剣道として再発足してから本年で60年になりますが、当時学生として活躍された先輩方が学生剣道の指導者として歴史と伝統の「剣道の在り方」を現在の我々に伝えてくれています。

 剣道の国際的な普及と相俟って剣道の競技化の傾向は益々色濃くなる傾向があります。競技があるからには勝利に向かって邁進するのは当然のことですが、先達が伝えた日本の伝統的な文化財として「理に適った、強く、美しい」剣技の修得を目指す相互の切磋琢磨、即ち、「人間形成の道」としての「剣道の在り方」を正しく受け止め更に良いものを次の世代に受け渡す義務が現在に生きる我々にはあることを自覚しなければなりません。

 今回のホームページ立ち上げを機に、情報を正しく共有しつつ学生剣道のみならず剣道の更なる発展のために寄与されんことを切望して挨拶とします。